中間質量ブラックホールとは、太陽質量が100から105の間にあるブラックホールのことで、その形成過程についてはさまざまな議論がある。これまでのシミュレーションでは、重力波の反動で球状星団から放出される前では、500 Mʨ以下の中間質量ブラックホールしか生成されていなかった。今回、球状星団形成のシミュレーションを星ごとに行うことによって、球状星団の親となる巨大分子雲での高密度星形成が、その質量の閾値を越えるのに十分な大質量星の複合体を生み出すことが発見された。この質量は、重力波の反動が予想される場合でも、球状星団内に保持されるのに十分な質量であるという。
中間質量ブラックホールは、恒星質量ブラックホールと巨大ブラックホールを結ぶミッシングリンクであるため、中間質量ブラックホールの一つの形成過程を示せたことは、巨大ブラックホールの形成過程を理解する上で重要な意義があるという。