Skip to content

きょうのサイエンス

まいにち最新の科学に出会おう

Menu
Menu

RNAベースの論理演算子が作られ,肉眼で識別可能に

Posted on 2024年6月10日2024年6月9日 by H.T.

DNA液滴は、DNA配列を人工的に液体状に凝縮したものであり、その性質をプログラム的に利用することができることが知られている。一方、RNAをベースにしたものは、より多様な分子構造や機能を持つにもかかわらず、あまり研究されてこなかった。この度、2入力のAND論理演算が可能な計算RNA液滴の設計と実証が行われた。ここでは、複数の一本鎖RNAからなる多枝RNAナノ構造が構成要素として用いられている。この枝は、RNA特異的なキスループ相互作用に関与し、自らネットワーク状の微細構造へ集合することができる。そして、標的miRNAが2回入力されると、ナノ構造は鎖状に分解するようにプログラムされている。相互作用の強さを塩基レベルでどの程度調整できるのかを数値的および実験的に研究することにより、ウイルス配列から適合させたキスループ配列の最適化が試みれた。すると、同族マイクロRNAを受け取ったときのみ、RNA液滴は、液体から分散状態への劇的な相状態変化を起こすことがわかった。この実証は、多鎖モチーフ設計が、凝縮相の挙動をボトムアップでプログラミングする柔軟な手段を提供することを強く示唆している。このような巨視的な相変化によって、肉眼で識別可能なRNAベースの論理演算子ができるのである。

投稿ナビゲーション

← ミトコンドリア分裂の必須因子を発見
なぜエネルギーが限られた環境で原核生物は生存できるのか? →

Alphafold iPS細胞 OIST RNA SDGs すばる望遠鏡 インフレーション オルガノイド カーボンナノチューブ クェーサー クライオ電子顕微鏡 ゲノム シミュレーション スーパーコンピュータ タンパク質 ディープラーニング バイオマス パーキンソン病 ヒッグス粒子 ブラックホール プログラマブル生体分子 ホルモン ミトコンドリア 京都大学 共進化 分子ロボット 古細菌 名古屋大学 宇宙創成 東京大学 植物発生学 機械学習 理化学研究所 素粒子 脳 超伝導 農作物 進化 遺伝子 酵素 重力波

  • 宇宙の始まりを探究する研究を加速する新しい公式
  • 老化制御の切替えが鍵となる植物の常緑性戦略
  • 代謝や食欲を制御するホルモンの構造の解明
  • 合体中の巨大ブラックホール発見
  • 習慣行動と目標指向行動の関係とは?
© 2025 きょうのサイエンス | Powered by Minimalist Blog WordPress Theme